平凡な私の獣騎士団もふもふライフ2
コーマックと同じ二十八歳。無愛想な表情も美しい、端整な顔立ちをしている。濃い紺色の髪、知的な切れ長の瞳は強い意志を宿した明るいブルーだ。
――彼はグレインベルト領主、グレイソン伯爵である。
領民からの信頼も厚く、美貌の領主としても絶大な人気を誇っていた。
別館勤務の非戦闘員たちからも、とても優しくて頼れる上司として評判が高い。ずっと『理想の上司ナンバー1』に君臨し続けている。
だが、それは表の顔で、獣騎士団ではドSの鬼上司として知られていた。自分の右腕でもある優しい副団長を、平気で正座させたりもする。
「で、でも団長様、テーブルから溢れんばかりの手紙なんですよ!?」
「先日、屋敷に届いた品物は、玄関フロアを埋めて執事を困らせていたな」
「執事さんがかわいそう……!」
感受性豊かなリズは、想像してわっと涙目になる。よくそれを屋敷の主である団長本人に言えるよな……とコーマックたちの間に沈黙が漂う。
実のところ、リズだって当初は鬼上司がめちゃくちゃ怖かった。今だって、やっぱり怖い。
しかしながら、ここ一週間はとくに付き合う時間が長かった。この大量の手紙が始まってから、一番リズが彼周りの用事を手伝わされてもいた。
必要な時には主張しないと、ジェドは平気でリズを付き合わせ続ける。
この前だって、手紙の件が済んだあとに重要書面のページ綴りの確認という、必要があるのかも分からない作業を命令された。
――彼はグレインベルト領主、グレイソン伯爵である。
領民からの信頼も厚く、美貌の領主としても絶大な人気を誇っていた。
別館勤務の非戦闘員たちからも、とても優しくて頼れる上司として評判が高い。ずっと『理想の上司ナンバー1』に君臨し続けている。
だが、それは表の顔で、獣騎士団ではドSの鬼上司として知られていた。自分の右腕でもある優しい副団長を、平気で正座させたりもする。
「で、でも団長様、テーブルから溢れんばかりの手紙なんですよ!?」
「先日、屋敷に届いた品物は、玄関フロアを埋めて執事を困らせていたな」
「執事さんがかわいそう……!」
感受性豊かなリズは、想像してわっと涙目になる。よくそれを屋敷の主である団長本人に言えるよな……とコーマックたちの間に沈黙が漂う。
実のところ、リズだって当初は鬼上司がめちゃくちゃ怖かった。今だって、やっぱり怖い。
しかしながら、ここ一週間はとくに付き合う時間が長かった。この大量の手紙が始まってから、一番リズが彼周りの用事を手伝わされてもいた。
必要な時には主張しないと、ジェドは平気でリズを付き合わせ続ける。
この前だって、手紙の件が済んだあとに重要書面のページ綴りの確認という、必要があるのかも分からない作業を命令された。