平凡な私の獣騎士団もふもふライフ2
そう考えている間も、ジェドが黙ったままじっと見つめてくる。まるで思考を全部見透かすような、強くて美しいブルーの瞳だった。
次の反応を待たれているような緊張感を覚えて、リズは落ち着かなくなる。
「えぇと、この現状解決と調査のしやすさを考えれば、メリットがあるのは分かります」
リズは考えがうまくまとまらないまま、見つめられている緊張から逃れたくて、迷う声でそう切り出した。
「ですが、そうしてまで登城するのもリスクがあるかと思いますし……その、幼獣の調査については、別の理由を考えて向かった方がよいかと」
遠慮がちにそう意見を述べた。王侯貴族が相手だと、恋人というより婚約者候補という認識の挨拶になったりするのだろう。
その状況下での恋人役だと、ますますもって厳しい気がした。自分は平凡で、これといって目も引かない、ただの地味な普通の女の子であるのだ。
「これが一番いい機会だ。貴族共を一旦黙らせられる」
こちらの迷いなど払いのけるように、ジェドのしっかりとした声が、俯きかけたリズの耳に入ってきた。
ぱっと顔を上げれば、こちらを見据えているジェドがいる。
「でも、あの、もし団長様が、いざ奥様を迎えるためにご結婚を考えることになったとして、その婚姻活動に支障が出るとかは――」
「支障なんて出ない」
なぜか断言されてしまった。
まぁ、彼の場合は大丈夫なのだろう。でも私の方は、影響が出る可能性があると思うんですよね……リズは、今のコーマックの現状をちらりと浮かべた。
次の反応を待たれているような緊張感を覚えて、リズは落ち着かなくなる。
「えぇと、この現状解決と調査のしやすさを考えれば、メリットがあるのは分かります」
リズは考えがうまくまとまらないまま、見つめられている緊張から逃れたくて、迷う声でそう切り出した。
「ですが、そうしてまで登城するのもリスクがあるかと思いますし……その、幼獣の調査については、別の理由を考えて向かった方がよいかと」
遠慮がちにそう意見を述べた。王侯貴族が相手だと、恋人というより婚約者候補という認識の挨拶になったりするのだろう。
その状況下での恋人役だと、ますますもって厳しい気がした。自分は平凡で、これといって目も引かない、ただの地味な普通の女の子であるのだ。
「これが一番いい機会だ。貴族共を一旦黙らせられる」
こちらの迷いなど払いのけるように、ジェドのしっかりとした声が、俯きかけたリズの耳に入ってきた。
ぱっと顔を上げれば、こちらを見据えているジェドがいる。
「でも、あの、もし団長様が、いざ奥様を迎えるためにご結婚を考えることになったとして、その婚姻活動に支障が出るとかは――」
「支障なんて出ない」
なぜか断言されてしまった。
まぁ、彼の場合は大丈夫なのだろう。でも私の方は、影響が出る可能性があると思うんですよね……リズは、今のコーマックの現状をちらりと浮かべた。