平凡な私の獣騎士団もふもふライフ2
ようやく人払いがされた廊下へ出ると、リズもどうにか顔の火照りを冷やす余裕ができた。
「こちらです。どうぞ」
そんな声がして目を向けてみると、そこには大きな扉が一つあった。騎士が開けると、カルロが堂々した足取りで広々とした部屋へ進んだ。
入室が完了すると、後ろで扉が閉まる。
リズは、ジェドに手を取られてカルロから降りた。人払いがされているのか、高価な調度品が置かれた室内は静まり返っていた。
「団長様、ここは……?」
「ニコラスの私室の一つだ。カルロ、ついて来い」
自然とリズの腰を引き寄せて、エスコートしながらジェドが声をかける。一つ頷きで応えて、カルロがその後からのっしのっしと続いた。
広い部屋を歩く。奥にもう一つ扉があり、ジェドがノックすると、向こうから元気な高い少年の声が上がった。
「入ってよいぞ!」
恐らくは、部屋の主である第一王子だろう。リズが緊張する中、ジェドが落ち着いたまま「それでは失礼する」と答えて扉を開ける。
そこで待っていたのは、同じ柄のクッションも置かれた、金の刺繍がされたアンティーク風の三人掛けソファに座った一人の美少年だった。
「おぉ! それがお前の相棒獣か! すごく大きいな!」
好奇心いっぱいな、大きなカナリア色の瞳。開いた窓からの光で、きらきらとする見事な金髪。やや長い髪型のせいか、華奢さも相まってより幼くも見える。
――この国の第一王子、十五歳のニコラス・フィン・ウェルキンス。
「こちらです。どうぞ」
そんな声がして目を向けてみると、そこには大きな扉が一つあった。騎士が開けると、カルロが堂々した足取りで広々とした部屋へ進んだ。
入室が完了すると、後ろで扉が閉まる。
リズは、ジェドに手を取られてカルロから降りた。人払いがされているのか、高価な調度品が置かれた室内は静まり返っていた。
「団長様、ここは……?」
「ニコラスの私室の一つだ。カルロ、ついて来い」
自然とリズの腰を引き寄せて、エスコートしながらジェドが声をかける。一つ頷きで応えて、カルロがその後からのっしのっしと続いた。
広い部屋を歩く。奥にもう一つ扉があり、ジェドがノックすると、向こうから元気な高い少年の声が上がった。
「入ってよいぞ!」
恐らくは、部屋の主である第一王子だろう。リズが緊張する中、ジェドが落ち着いたまま「それでは失礼する」と答えて扉を開ける。
そこで待っていたのは、同じ柄のクッションも置かれた、金の刺繍がされたアンティーク風の三人掛けソファに座った一人の美少年だった。
「おぉ! それがお前の相棒獣か! すごく大きいな!」
好奇心いっぱいな、大きなカナリア色の瞳。開いた窓からの光で、きらきらとする見事な金髪。やや長い髪型のせいか、華奢さも相まってより幼くも見える。
――この国の第一王子、十五歳のニコラス・フィン・ウェルキンス。