平凡な私の獣騎士団もふもふライフ2
「前、ジェドに送った手紙で知っているぞ。獣騎士団の久しい新人かと思っていたら、まさかの〝恋人〟であったとはな!」

ニコラスが、元気いっぱいといった調子で満足な笑い声を響かせる。

一体どういう風に説明したのだろう……ちらりと見上げてみると、どうしてかジェドが先程と違ってにこにこしていた。

「ふふふ、そしてっ、これがお前の相棒獣だな!」

テンションハイのまま、ニコラスが決め顔でカルロを見た。それでも幼獣を胸に抱っこしたままで、ソファの上で一緒に揺られて幼獣は楽しげでいる。

「すごく大きいぞ! なんとかっこいい白獣なのだ! 父上も母上、ようやく相棒獣を得ただけでなく、恋人もできたとあって、めでたいことだと言っていた。結婚はいつだ?」

「ニコラス、正式な婚約はこれからだ。彼女は貴族籍ではないので、お前も知っての通り色々とある」

「お前にしても控えめな発言だな、それくらいに好きなのか!」

なるほどと勝手に納得したニコラスが、大満足で笑う。

「堂々と婚約者を名乗っていいぞ。そこまで好いている女だ、もはや未来の妻も同然っ、そう名乗ることを、この俺が許す!」

「はっはっは、それは有り難い」

にこっとジェドが営業スマイルで応えた。どうやら、その発言を取るために誘導したようだとリズは気づく。

法的には婚約者ではないのだから、簡単に恋人ですというだけでいいと思うんだけど……バレた時のリスクが増しているようで不安になる。

「婚約者リズよ。そんな不安な顔をせずとも、大丈夫だぞ」
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