平凡な私の獣騎士団もふもふライフ2
「あっ、そっか……前グレイソン伯爵というと、団長様のお父様が、ご自分の相棒獣を連れてこの子と話をさせたんですね?」
「そうだ。父上の相棒獣は、かなり長生きもした優秀な戦闘獣だ。まだ意思疎通が拙い年頃の幼獣から、『ニコラスのそばから離れたくない』、『一緒にいたい』、と意思を聞き取ったらしい」
ジェドの話を聞いていたニコラスが、胸に抱いたその幼獣の頭を撫でる。
「ジェドのお父上にも、何度か世話になったぞ。聖獣連れの王子だと、周りが少々煩くなったせいで、幼獣のストレスにならないか心配になってな」
そう口にしたニコラスが、ふと思い出したように表情を曇らせた。撫でる手が弱まって、幼獣が「んん?」とくりくりした目を向ける。
「我が王族にとって、守り神だ。存在を知っている近隣国で、一部、聖獣として崇めている過激な隠密宗派もあって……このタイミングゆえ、気になっている」
それは、手紙に書かれてあった相談だろう。
「視線を感じ出したこと、ですか?」
リズは、思わず遠慮がちに尋ねていた。先程はあんなに明るい笑顔を見せていたのに、あまりにも静沈んでいるような雰囲気が放っておけなかった。
彼女を横目に見たジェドが、確認するように彼へと目を向ける。するとニコラスが、自分が抱っこしている幼獣に目を落としたまま、こくりと頷いた。
「最近、国交関係で行事があったんだが、ちょうどそれが終わった後だったと思う。強く見られているような視線を感じて、それが突き刺さるみたいで、とても怖くって」
気になったら、たびたび視線を覚えるようになったという。
「見られることは慣れている。怖いと思うような雰囲気を向けられたことも、少なから経験にある。だが、俺は今、一人じゃない」
「そうだ。父上の相棒獣は、かなり長生きもした優秀な戦闘獣だ。まだ意思疎通が拙い年頃の幼獣から、『ニコラスのそばから離れたくない』、『一緒にいたい』、と意思を聞き取ったらしい」
ジェドの話を聞いていたニコラスが、胸に抱いたその幼獣の頭を撫でる。
「ジェドのお父上にも、何度か世話になったぞ。聖獣連れの王子だと、周りが少々煩くなったせいで、幼獣のストレスにならないか心配になってな」
そう口にしたニコラスが、ふと思い出したように表情を曇らせた。撫でる手が弱まって、幼獣が「んん?」とくりくりした目を向ける。
「我が王族にとって、守り神だ。存在を知っている近隣国で、一部、聖獣として崇めている過激な隠密宗派もあって……このタイミングゆえ、気になっている」
それは、手紙に書かれてあった相談だろう。
「視線を感じ出したこと、ですか?」
リズは、思わず遠慮がちに尋ねていた。先程はあんなに明るい笑顔を見せていたのに、あまりにも静沈んでいるような雰囲気が放っておけなかった。
彼女を横目に見たジェドが、確認するように彼へと目を向ける。するとニコラスが、自分が抱っこしている幼獣に目を落としたまま、こくりと頷いた。
「最近、国交関係で行事があったんだが、ちょうどそれが終わった後だったと思う。強く見られているような視線を感じて、それが突き刺さるみたいで、とても怖くって」
気になったら、たびたび視線を覚えるようになったという。
「見られることは慣れている。怖いと思うような雰囲気を向けられたことも、少なから経験にある。だが、俺は今、一人じゃない」