冷たい彼と新婚ごっこ♡
ホテルでの会食のあと、私と一条くんは、一条家のリムジンに乗せられて、新居となる駅前の新築マンションへと連れていかれた。


いきなり今日から二人でマンションで同居だなんて、荷造りも何もしていないのにどうするんだろうと思ったけれど、なんと私の荷物は先ほどの会食中に、部屋のものを全部家具ごと新居へと運ばせたんだとか。


なんだかもうここまでされたら、あきらめるしかないのかなという気持ちになってくる。


「家具や生活用具はひと通り揃えてありますので、あとはお二人でごゆっくり」


一条家の使用人さんがそう言って、マンションの部屋のカギを手渡してくる。


「ありがとうございます」


――ガチャッ。


エントランスから一条くんと二人で中に入り、玄関のドアを開けると、中はとっても広くて綺麗だった。


「わあぁ……。すごい、なにこれ……」



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