冷たい彼と新婚ごっこ♡
するとそこで再び彼の体を揺さぶろうとしたら、勢い余って手が滑り、彼に向かって倒れ込んでしまって。


「……ひゃっ!」


気が付けば、彼の体にしがみつくような体勢になっていて、思わずドキッと心臓が跳ねた。


ど、どうしよう。何やってるの、私。


これじゃまるで、抱きついてるみたいだよ。


すると、葉月くんがボソッと低い声で。


「……おい。いきなり寝込み襲ってくるとか、ずいぶん大胆だな」


「いやっ、あの、これは違くてっ! 手が滑っちゃっただけなの。ごめんなさい」


慌てて体を起こし、必死で謝る。


「はー、もう、ビックリさせんなよ」


そしたら彼は片手で自分の頭を掻きながら、ようやくその場に起き上がった。


「梨華のせいで目覚めたし」


「ご、ごめんね、ほんとに」


うぅ、なんか私、逆に悪いことしたみたいになっちゃった。


でもまぁ、結果的に起きてくれたからよかったのかなぁ。


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