黙って一緒に堕ちてろよ
ナイショ話しようか
成績優秀、品行方正。黒ぶち眼鏡、膝丈のスカートに着崩さない制服。ひとつに結んだ黒い髪。校則然り。
『優等生』と聞かれて大半が思い浮かべるイメージはこんな感じだろうな、と思う。
そして、今このクラスでそれに当てはまる生徒は誰か、と聞かれたら、大半は私の名前を答えるだろう。
「岩倉さん!」
クラスメートの男子に呼ばれて、私はくるりと振り返った。
「ん?」
「あのさ、オレ今日数学当たるんだけど、課題やってきてなくて……」
彼は、浮かない顔で、言いづらそうに頰をかいた。
私は彼の言いたいことを悟って、机の中から数学のノートを取り出し、彼に差し出す。
「いいよ、見せたげる。はい」
そう言うと、ノートを受け取った彼は、大きくガッツポーズ。
「うわー!ありがと、マジ感謝!」
「いいえー。またなにか困ったことがあったら頼ってくれていいからね」
彼は、軽い足取りでトモダチさんのもとへと戻っていった。
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