黙って一緒に堕ちてろよ

今日も今日とて治安が悪い。私もその画の中の一部だ。通り道だと言い訳をして、遠回りをして街を練り歩く。


日が暮れてからの制服姿は、罪悪感というか背徳感がある。ちょっと背伸びしたみたいな、スッとした気持ちが吹き抜ける。


……たばこくさいから台無しだけれど。


たばこを吸う人間は理解不能だ。そんなに吸いたいもの?そこまで価値のあるもの?私にはわからない。


「…………」


脳裏によぎる刺々しいものを、首を左右に振って強引に振り払う。あーあ、やなこと思い出した。気分は言わずもがな、最低最悪。


憂さ晴らしに空き缶を思いきり蹴っ飛ばす。それは、カーンと高い音を立てて宙に浮き、からんころんと転がっていく。
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