黙って一緒に堕ちてろよ
きっと楽になれる
「状況悪化してない……?」
あれ以来。
どうやら綾瀬さんはめげないタイプだったらしく、警戒心を強めたのか常に古茶くんにべったりするようになった。
周りの女子は、マドンナ綾瀬さんが人気者の古茶くんに気があるらしいということで、空気を読むように綾瀬さんの後押しをしている。
こういうとき、女子って謎に結束するよね。権力の大きいほうに流されてったほうが楽だから。みんな自分の頭使ってないんだなーって思う。
私も人のこと言えないけど。
ほとんどの女子を味方につけた綾瀬さんは、以前よりも調子づいている。調子に乗っているのはもとより。
先日の古茶くんの動向を思い出し、彼の顔面に一発パンチを食らわせてやりたくなる。
あんなドヤってたくせに、逆効果じゃねぇか、あの野郎。
これじゃ、この前の二の舞に……。
「……ん?」