黙って一緒に堕ちてろよ

違和感を覚えて、一度思考が止まる。


よくよく考えてみれば、今回は私に対する露骨な嫌がらせはない。


ちょっと見当違いな敵対視されてるな、とは思うけれど、実害といえば古茶くんが綾瀬さんにつきまとわれているだけだし。


私に被害は──間接的にはあるけれど──基本的にはまだマシなほうで。


じゃあ別に……ほっとけばよくない?


いつもは私、面倒事なんかほっとく主義じゃん。


古茶くんなんて、天敵だしむかつくし意味わかんないし、一緒にいるとなんか調子狂うし、ほっときゃいいのに。


私じゃなくて綾瀬さんが古茶くんとベタベタすることで、私が標的にされることはなくなるんだし。むしろ私がかかわんなきゃいい話。


そのはずなのに。
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