黙って一緒に堕ちてろよ

「で、なに、なんの用」


私は、ふいっと古茶くんから顔をそらした。


自分の口から発された言葉が震えていることに驚いた。私、緊張してる?古茶くん相手に?なんで?……。


「──っ!」


先日の事件が鮮明に思い出されて、途端に恥ずかしくなる。


あれから、あのことは記憶の彼方に封印してたし、封印が解けないように古茶くんのこと避けてたのに、顔見ちゃったから。……思い出しちゃったじゃんか、バカ!


……まぁ、こうやっていつもとなんら変わらない様子で話しかけてくるってことは、古茶くんはもうとっくに忘れてんだろうけどさ。


元カノだってたくさんいるんだろうし。絶対はじめてなんかじゃないんだろうな。私と違って……。

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