黙って一緒に堕ちてろよ

「……そういえば私、人をいたぶって楽しむ趣味はないんだったわって思い出して」


「どの口が。人をいじめるのが趣味なサド野郎じゃないってんなら写真消してくんねぇの?」


「嫌に決まってんじゃん」


「チッ」


口をとんがらせる彼を見ると、なんていうか、不機嫌っていうよりも。


拗ねていじけてるだけの子どもに見えてきて。


「……なに?構ってほしかったの?」


「……ぇ。は、はぁ──!?」


古茶くんは、ワンテンポ遅れて驚きを口にした。ポーカーフェイスが崩れてる。崩れてるよ、古茶くん。おーい。


思ったよりも何倍も大きいリアクションに私が驚きたいよ。図星?え、図星なの?うっそぉ……。


いつもひょうひょうとしている古茶くんが、珍しく動揺している。いや、割といつもあんな感じだったっけ?


人気者にしては、という前置きをしてからなら、珍しく動揺している、っていう認識は正しいんだっけ?


なんでこれしきで動揺してるわけ?


古茶くんをそうさせる原因はなに?


……私をこうさせる原因は、たぶん。
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