黙って一緒に堕ちてろよ
「なー、お前、結局どっちが本命なん?」
「……!」
トモダチさんは古茶くんに、茶化したふうに、そんな質問を投げかける。
私は、無意識のうちに聞き耳を立てていた。
「本命って?」
「だーかーらー、綾瀬さんと岩倉だよ、どっち!?」
じれったそうに、興味津々といった様子で質問を繰り返す、チャラい見た目のトモダチさん。私にもさん付けしろよ、と一瞬怒りが湧いた。いけないいけない、カルシウム不足。
「バーカお前、そんなん綾瀬さんに決まってんじゃん。圧倒的に可愛いし。だろ?蒼唯」
もうひとりのトモダチさんが、そう言って古茶くんの肩をこづく。
「は?別に俺は」
「あーあ、なんでお前だけそんなモテるんだよ〜。いーよなー、イケメンは」
「元カノなんだっけ、復縁十分狙えんじゃん。羨ましーっ」