黙って一緒に堕ちてろよ
「どうしたの──え、今日調子悪い?いつもは俺の顔見るなりケンカ売ってくんのに」
なんでそんなこと気がつくの、とか。
ケンカ売ってくるのはそっちじゃん、とか。
……いつもみたいに言い返せたらよかったのに。
なにか言わないと、って。焦って。弱みなんか見せられない、って。強がって。
「どうせ今も好きなんじゃないの」
──あ。失敗した。
言ってしまってからハッと我に返ったけれど、もう遅い。
口を開いて出てきた言葉は、よりによって、いちばんくすぶっていたもので。
「…………なにそれ」
古茶くんは、それを聞いて、優等生らしかぬ顔で笑ってた。……私をあざけるように、嗤ってた。