黙って一緒に堕ちてろよ

「大体『代わってあげた』ってなに?私そんなこと一回も頼んだ覚えないんだけど。捏造しないでくれます?この年でぼけてんの?うーわ、悲惨。てか、むしろ私が代わってあげた側だから!お前が代わってくれって泣いて頼むから優しい私が代わってあげたんだろーが。わかるかなー?わかんないかぁ、ぼけてんだもんねー。同情しちゃうー。つか恩着せがましいどころかおこがましいんだよ黙ってろ、バーカ」


綾瀬さんの顔を覗き込んで、一息で鬱憤をぶちまける。


大きな声では言わなかった。目の前のひとりに聞こえるくらいの声量で十分だから。


これが他の誰かに聞こえて、私が綾瀬さんにこんなこと言ったって知れたら、私が悪者になっちゃうから。わざわざ自分が不利になるようなことするバカはいないでしょ?そういうこと。


「……はぁ!?」


ようやくコケにされたことを理解したのか、綾瀬さんは、ぴくぴくと額に青筋を立てる。


理解するまでが遅かったね。頭弱いの?可哀想。


それとも、『優等生』で『口答えしない』『都合のいい奴』が突然楯突いたものだから驚いた?呆気に取られちゃった?


それはそれは。悪いことしたね。悪かった、なんて1ミリも思ってないけどね!
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