黙って一緒に堕ちてろよ
もちろん、なんの勝算もなくはったりをかましたわけではない。一応分の悪い賭けはしない主義なので。
私と付き合ってるってことにしちゃえばさ。みんなが見てる前でうそでも公言しちゃえばさ。もう綾瀬さんにつきまとわれることもなくなるでしょ、古茶くん。
古茶くん、綾瀬さんのこと鬱陶しく思ってるんでしょ、私の手を取ったらwin-winじゃん。つまんない意地なんて張らないでさ。
あれ?古茶くんは綾瀬さんを嫌ってはないんだっけ?綾瀬さんが嫌われてればいいなっていう、ただの私の願望なんだっけ?忘れた。
まぁそんなこたぁどうだっていいや。
周りがみんな、息を呑んで私たちの動向を見守る中、古茶くんは。
「──ははっ、あははは!……あ──あ、お前、ほんっとむちゃくちゃだよなぁ」