黙って一緒に堕ちてろよ

「むちゃくちゃ。むちゃくちゃだよ、なにもかもめちゃくちゃだよお前のせいで。──まぁ、嫌いじゃないけど」


古茶くんが、ぼそりともらした最後の一言。一体何人の耳に届いただろう。少なくとも私にはしっかりと聞こえてしまった。


古茶くんは、呆然としている隣のトモダチさんを置いて、つかつかと近寄ってくる。そして、がしっと私の肩を抱き、「はぁ……」と、諦めたようにため息をついたあとに、私が望んだ答えを口にした。



「そーゆーこと。俺、こいつと付き合ってるから」



古茶くんの宣言に、教室内は沸き立った。


「えっ、うっそ、マジで!?」


「あの古茶くんが、岩倉さんと付き合ってるの!?」


「いつから!?ていうか、あの地味子のどこを好きになったの!?」


それとは対照的に、綾瀬さんは顔面蒼白で、ショックからか足元がフラフラ。今にも倒れそう。けれど、雲行きが怪しいと感じたのか、今度は取り巻きさんは彼女に手を差し伸べない。
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