黙って一緒に堕ちてろよ

「だからさ、そうやって自作自演して同情引こうとしても無駄なの、わかる?」


「……!そんなんじゃない、由奈はほんとに突き飛ばされたの!岩倉さんに!」


「あんまりしつこいと嫌われちゃうよ〜?ま、もともと嫌ってんのは間違いないけど」


そこにいるのは、優等生で人気者の彼ではなく。紛れもなく、私があの日見た古茶くんだった。


「俺、回りくどいの苦手でさぁ。実は口より先に手が出ちゃうタイプなんだよね〜、知ってた?」


「え?」


「やっぱ知らないよね〜、だって言ってないもん。所詮そんくらいの関係だったよ、俺たちは。簡単に切れる関係なんだよ、それにすがってんのはお前だけ。意味、わかる?」


「……!!」


おめでたい頭でもさすがに侮辱されたことがわかったらしく、頭に血がのぼったのか顔が赤い。赤くなったり青くなったり忙しいね。


「で、そこまで言っても話が通じないお前に、こんなものを用意してみました。じゃーん。これな〜んだ」


古茶くんが、スラックスのポケットからスマホを取り出し、なにやら操作してから綾瀬さんに画面を向けた。


それを見た綾瀬さんは、「え」と凍りつく。
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