黙って一緒に堕ちてろよ
「申し訳ないとは思ってるけど。3分の2くらいは古茶くんが原因だと思う」
「責任の押しつけはよくないと思いまーす」
「事実じゃん!だって──」
──古茶くんがあんなことしなければ、私が動揺することもなかったのに。
「──っ!」
自分がなにを言おうとしたのか気づいて、慌てて急ブレーキ、口をつぐむ。
あ、っぶない。言わなくてよかった。こんなこと言ったらからかわれるに決まってる。あの古茶くんだもん。ここぞとばかりにからかってくるに違いない。
だって、それって。古茶くんに、キス……されて。思わず動揺しちゃった、って言ってるようなもの。
「だって?」
「……なんでもない」
「ふーん?」
言ってしまう直前で気がついたおかげでからかわれるネタを提供せずに済んだけれど、ニヤニヤしている彼を見るに、絶対バレてる。くそぅ。