黙って一緒に堕ちてろよ

「まぁ……それはそうなんだけど」


我ながら、柄でもないことしたなぁ、と思う。


優等生らしくない、ってことではなくて。私らしくないというか。


私は、下に向かって伸びをし、なにもない天井を仰いだ。


「あーあ、明日から怖いなぁ」


「なるようになるでしょ」


「逆に言えばなるようにしかならないけどね」


私たちは、滅多に人が通らない立ち入り禁止の屋上の前の階段に、ふたり並んで腰かけていた。


まず古茶くんがてっぺんに座って、私がそのあとに続いた。隣に座るほどの仲じゃないからな……と一瞬ためらったけれど、見下ろされるのも癪なので彼の隣に座った。


別の場所でもよかったんだけど、騒動を起こしたばっかりで、人目のある場所は注目されそうだから避けた。


直に座って、制服のスカートが汚れる、なんて気にする性格でもないし。まぁ階段でもいいか、と、これは妥協である。


そう、妥協なのだ。決して、自分から望んだわけではない。はず。たぶん。
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