黙って一緒に堕ちてろよ

私を置いてけぼりにしてくれるな。意味深な言葉を吐かないで、私なんだか変になる。


古茶くんは、「だって」と振り向き、スマホを顔の横に持ってきて、




「──こうしたら構ってくれんでしょ?」




まるで、純粋無垢な子どものように。


そう言って、無邪気に笑うものだから、つられて私も頬がゆるんだ。



「…………しょうがないなー」



しょうがないから、もうちょっとだけ、付き合ってあげようじゃないか。


私が「うりゃっ」と体当たりをすると、無防備だった古茶くんが「うわっ」と倒れ込む。


そのまま私たちは、バカみたいに笑っていた。そこにいる私たちは、すでに優等生なんかじゃなかった。


どちらからともなく絡めた指は、未だに熱を持っている。


fin.
< 156 / 156 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:26

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

カタオモイ同盟

総文字数/14,500

ホラー・オカルト44ページ

表紙を見る
眩むような夜に、

総文字数/6,283

恋愛(その他)15ページ

表紙を見る
君となら、死ねるかも。

総文字数/4,728

恋愛(その他)12ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop