黙って一緒に堕ちてろよ

仮に、彼が私の本性を言いふらして、みんなが彼の言葉のほうを信じたとしても、私には物証がある。


それに、人目があるところじゃ、彼は私に手を出せない。


「明日からが楽しみだなーっ」


「あー、くっそ、このクソダサ地味女が」


「んんー、そのクソダサ地味女に負けたのはどこのクソダサ厨二野郎かなー?」


私はそこまでメンタル脆弱じゃないので、負け犬の遠吠え程度でダメージをくらったりはしない。残念でした。


気に食わない人気者のあの悔しげな表情。なんて気持ちがいいんだろう!


私の圧倒的勝利、どんなバカでもわかるよね。人の上に立つこと?大好きです。


「覚えてろよ」


「うんうん、古茶くんのその顔、よ〜く覚えとくよ。ふふっ」


埃をかぶった捨てゼリフ、時代錯誤のヤンキーにはお似合いだよ!


そう思いきり高笑いをしたかったのを、さすがに夜だったので我慢した。


その日はあまり寝つけなかった。たぶん私は、……私たちは。脳内麻薬に酔っていた。
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