黙って一緒に堕ちてろよ

「そんじゃ、あとよろしくねー」


私は、手をひらひらと振り、教室内後方の個人ロッカーの上に、ひょいっと飛び乗り腰かけた。


「……お前、帰んねーの?」


どうやら彼は抵抗を諦めたらしく、掃除ロッカーからほうきを取り出している。賢明な判断だよ、うん。


「古茶くんがさぼらないように見張ってまーす」


「…………チッ」


「聞こえてないと思ったら大間違いだからね?ばっちり聞こえてんだからね?」


「そりゃまあ、聞こえるようにしたからな」


古茶くんが舌打ちをするなんて、一体誰が想像するだろう。お行儀が悪いよ、優等生。ついでに口も悪いし意地も悪い。いい性格してやがるよ、まったく。
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