黙って一緒に堕ちてろよ

「……お気遣いどーも。で、なにが目的?」


「やだなぁ。そんな急かさないでよ、無粋だなぁ。もっとゆっくり……そう、ゆっくりしよ?」


なにが、って……そりゃあ、ねぇ?


古茶くんに聞きたいことなんて、わかりきってるでしょ?


私はスマホを顔の横に持ってきて、古茶くんに見えるように突き出した。


「これについて詳しく聞きたいと思ったんだよね。ね、聞かせてよ」


古茶くんは訝しげな表情で画面を覗き込む。その目がみるみると見開かれて。


次の瞬間、彼は目の色を変え、私の胸ぐらにつかみかかってきた。


「お前死にたいの?」


「残念だけど私ノーマルだから他殺願望はないんだよね。でもそうだなぁ、痛くしないって約束してくれるなら殺してくれてもいいけど」


誰だって痛いのはやでしょ、と。小さな声でつぶやいたつもりが、彼の耳には届いていたらしい。


「つくづくいかれてんな」


「古茶くんにだけは言われたくないなぁ」


いかれてんのはお互い様でしょ。そう言おうとしたけれど、それだと自分がいかれていることも認めることになるのでやめた。否定はしないけれど。
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