黙って一緒に堕ちてろよ
「人気者は大変だねーっ」
なんだかむかついたので、わざと大声で当てこするように言ってやると。
「どこかの寂れた真面目ちゃんとは違ってねー」
思わぬ反撃を食らった。
「……、あー」
私は頭をかいた。
私は昔から負けず嫌いで、やられっぱなしは性に合わない。
やられたら百倍にしてやり返してやらないと気が済まない!
「人気者くんは私とは違って不真面目みたいです、ね!」
「──なにすん、!?」
スッと間合いを詰めて、接近する。こぶしひとつ分くらいの、彼との距離。
そのまま古茶くんの顎に人差し指を添え、親指で唇に触れ、口を開かせた。
「さっきちらっと見えたんだけど、古茶くんて舌ピしてたんだ?立派な校則違反だね、さすがヤンキー」
「……離せよ」
「ヤダ。ねぇ、これって痛くないの?てかキスするときにバレないの?彼女とキスしたことないの?あ、もしかして古茶くんって性格によらず舌入れない派?」
お返しとばかりに煽り倒す。古茶くんは無言。言い返せずにいるのか、彼に限ってそんなことはないと思ったけれど。
形勢逆転。……したと思って、油断していた。
「──試してみる?」
「え」