黙って一緒に堕ちてろよ
よく言えばにぎやか、悪く言えばうるさい。
そんな感じの休み時間。騒がしい教室内は、お世辞にも心地いいとは言えない。普通に不快。うるさい。
耳をふさいでも聞こえてくる騒音には敵わず。外の世界をまるごとシャットアウトできたらいいのに。
辛抱たまらず、私はイヤホンに手を伸ばした。と、そのとき。
ガラガラガラッ──
勢いよく教室の後方の扉が開いた。
力加減もできないとかなんなの、猿なの?扉の開け閉めはもっと静かにお願いしたいものだ。心の中の私が荒立つ。無意識に爪を噛んだ。
「蒼唯!お前どこ行ってたんだよー」
──『蒼唯』
私の耳が、勝手にその名前を拾う。私は、その会話に、ひっそりと聞き耳を立てた。