黙って一緒に堕ちてろよ

「のど渇いたからジュース買いに行ってた」


「えー、いいなー。オレもなんか買ってこよっかな」


「お前らの分もあるよ。俺の奢り、特別な?」


「えっ、マジかよー!愛してる!」


「ごめん、俺お前のことそんなふうに見たことない」


「うわ、ちくしょー、振られた!」


ふたりの繰り広げるコントに周りからは笑いが巻き起こり、彼もまた、その中心で笑っていた。


私にはなにが面白いんだか、ちっともわからない。彼のそういうところが、私に、彼は私とは違う次元の住民なのではないかと錯覚させる。


あるいは、錯覚ではないのかもしれない。
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