黙って一緒に堕ちてろよ

「っと、こりゃ派手にいったなー」


そう言われて、私は改めて傷を見る。割と派手にこけたので、その分派手にすりむいていた。小学生かよ、私。


痛々しいひざこぞう。を、古茶くんがまじまじと見る。


傷の様子を確認するためだっていうのはわかってる、わかってるんだけど。……ひざこぞう見られるのって、思ったよりも恥ずかしい。普段見られないところだからか、余計。


……あれ?私、古茶くん相手に、なんで今さら緊張なんか。


「──っ、!古茶くん!」


「はい!?」


私の突然の大声にびびったのか、古茶くんは叫び気味に返事をし、しゃんと背筋を伸ばす。


意識し出したら、わけもわからないまま、途端に、なんだかとんでもない辱めを受けているような気分になってきて。


「……手当て、は。自分でできる。古茶くん帰る途中でしょ?もう大丈夫だから」


羞恥心に耐えながら、なんとかその意を言い切ると。


古茶くんは、


「けが人は大人しく手当てされとけっつーに」


と、呆れたように、私の頭にぽんっと手を乗せた。
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