黙って一緒に堕ちてろよ

「〜〜っ!そっち押さえて!」


「……!」


リーダー格の女に命令されたふたりが、両側から私の腕をつかみ、拘束する。身じろぎできない。集団相手に私ひとりじゃさすがに分が悪かったってことか。


私の動きを封じた奴は、下卑た笑みを浮かべて、腕を組み、


「謝るなら今のうちだけど?」


と、私にひざまずかせようとする。


卑怯な手でいっときでも優位に立てたのがそんなに嬉しい?……くだらない。


あの古茶くんでもお前らよりはずっとマシだよ。


私はペッと唾を吐き出し、


「そんなんだからいつまで経っても小物卒業できねーんだよ」


挑発するように、言い捨てた。
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