黙って一緒に堕ちてろよ
◆︎
せっかくの休日にわざわざあいつと待ち合わせをしなければならないのはとても遺憾だけれども。
そうでもしなくちゃ、入手ルートには抜け道があるからね。それじゃつまらないから、ちゃんと見張っていないとね。
あとは単純にあいつの屈辱にまみれた顔を見たい。あわよくばカメラに収めたい。
「ちょっと早かったかな……」
左手をまくり、腕時計に目をやる。待ち合わせは12時ぴったり。時計の針はまだ望む位置にはない。
ちなみに早く着いたのは、別に楽しみだったからとか、そんな理由ではない。断じて違う。