黙って一緒に堕ちてろよ

……あれ?なんか、いつもと感じが違うような。古茶くんをよーく観察してみると、その違和感の正体に気がついた。


そうか、私服だからか。見慣れない服装だからか。


都会が似合いそうな、いかにも〜って感じのストリート系コーディネート。そういえば、こいつの学校以外の姿を最初に見たのはあのヤンキー姿だったから、普段のこいつの外面のよさをすっかり忘れていた。


よく見たら、周りもざわついている。古茶くん、思いっきり注目浴びてるじゃん。さすが外面いいだけある。


しかも、当の本人は、慣れているのか知らないけれどもそれをさして気にも留めていない様子。イラッとくる。


「古茶くん」



「……お前さぁ。俺と歩くんだから、もっと可愛らしいカッコできなかったの?それ、モロ男じゃん」



さっきから押し黙っている古茶くんに声をかけると、さらっと割とひどいことを言われた気がする。え、気のせい?気のせいなの?


そう言われ、私は改めて自分の格好を見下ろした。


楽なので気に入っている黒パーカーにジーンズ。髪は学校同様、適当にひとつに結んでいた。


出会い頭にとことん失礼な奴だ。
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