黙って一緒に堕ちてろよ

◆︎


「……お前、本気でひとりでレジ行かせるとか、バカ!ほんとバカ!」


「だってそうじゃないと罰にならないでしょ?お疲れ様ーっ」


無事生還を果たした古茶くんが、「ん!」とレジ袋を突き出す。顔真っ赤。生還って言ったけど前言撤回、生きてる?生きてはいるか、でも無事ではないね。


私は「どーも」とそれを受け取り、中身を確認する。うわ、ほんとに買ってる。いや、私が買ってこいって言ったんだけど、改めて思い出すとウケる。


「でもレジちょうど同性だったじゃん。マシじゃないの?」


「どっちでも同じだって。イケメンが女物のタイツを……?っていうあの目、耐えらんねぇ。無理」


「自分でイケメンとか言う……」


自信過剰は健在だけれど、なかなかに憔悴しきっている様子。いじりがいがある。


「げっそりしてる古茶くん、見物だったよ?くくっ」


「くっそ……あとでコロス」


「どうぞお好きにー」
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