黙って一緒に堕ちてろよ

コロス、なんて言っておきながら、こいつはいつまでも手を出してこない。


ここじゃ人の目があるからかもしれないけれど。それは強引にでも場所を変えたらいい話だし。


「あっ、そういや今日観たい映画あったんだよね!ひとりじゃ入りにくいから、岩倉さん、ちょっと付き合って」


「ええ……もう私の用事終わったよ〜。めんどくさい帰りたい」


「帰らせねーよ。俺にあんな思いさせやがって」


「セリフがセンシティブ」


「センシティブじゃねぇよ!?」


こんな言い争いにももう慣れた。慣れてしまうくらい繰り返してるんだな、と思うと、なんだか認めたくない気分だけれど。
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