黙って一緒に堕ちてろよ
遭遇率、っていうか。考えてみれば、古茶くんとは同じクラスなんだしよく見るのは当たり前なんだけど。
「てか、なにしてんの?」
古茶くんがそう聞いてきたのは、たぶん、私が後ずさっていたから。私は、「あれ」と、曲がり角の先を指さした。
顔だけひょいっと出して、それを覗いた古茶くんは、
「……あー。理解」
そう、めんどくさそうに頭をかいた。
「てかあいつらこっち来そうじゃね?」
「えっ」
うそ。うっそぉ。来なくていい、来なくていいよ。全力で拒否したい。
そんな私の脳内が彼女たちに伝わるはずもなく、だんだんと話し声と足音が近づいてくる。
私はとっさに古茶くんを引っ張って、近くにあった空き教室に隠れた。