黙って一緒に堕ちてろよ
「──。ん゛!ん゛ー!」
「……え。あ」
眉間にしわを寄せ、ちょんちょん、と人差し指で私の手をつっついて、コレを外せと要求してくる。……いや、ちょんちょん、では表現がちょっとぬるかったかも。ザクザク。爪刺さってるってば、痛い。
古茶くんの存在をすっかり忘れていた。古茶くん、存在感消す技でも習得した?
「……はあっ。隠れる必要あった?」
仕方がないので解放してやると、古茶くんは今まで息を止めていたのか、一度深呼吸をして、それから小声で私にそう聞いた。
「……この状況で聞き耳立ててたって思われたくなかった。あと古茶くんと一緒にいたって思われたくなかった」
「さらっとひでぇ」