君が呼ぶから帰ってきたよ
じゃあ私が聞いた康太の声はお墓参りしてる時の声ってこと??


康太…


なんとも言えない苦しい気持ちになって私は康太の家を飛び出した。


康太、康太、康太!


私ここにいるよ。


大丈夫だよ。笑ってるよ。


そう伝えたくて…


走って私のお墓があるであろう場所に行く。


唯一、私の住んでいる所で海の見える場所。


お母さんにそこがいいとお願いしたのは私がいなくなる2週間前のことだった。


海が好きだったのもあるけどそこは私が康太と遊んだ海だったからそこがいいと思った。


お母さんがお願い聞いてくれてたらきっとここに康太がいる。


探すと、私の名前が刻まれたお墓があった。


そこには黄色や赤の花が飾られて、綺麗に磨かれてあった。


「康太きたあとなのかな…」


見回しても誰もいない。


もう帰ったのかな、入れ違いか…


康太の家に戻ろうとした時、私がいるところから見える浜辺に私の高校の制服を着ている人が立っているのが見えた。
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