君が呼ぶから帰ってきたよ
12.再会した海で
学校から走ってきたのは私のお墓から見える海だ。
康太と再会した場所。
最期の時間を過ごすのはここにすると決めていた。
私はこの海が大好きだ。
小さな頃よく康太と遊びに来ていた。
康太はお母さんに起こられると毎回海に行っていた。
私が迎えに行くと不機嫌な泣き顔で体操座りして海を眺めていた。
そんな時は帰ろうと言っても絶対に動いてくれない。
"美春1人で帰れよ"なんて言われてしまう。
だから私はいつも康太の横に座って何も言わず待っていた。
そのうち康太が立ち上がり、こう言うんだ。
"帰ろう、お腹空いた"って。
そして自分の右手を差し出す。
その手を握れば康太はふわっと柔らかい表情で笑ってくれた。
そんなことが何度もあったのを覚えている。
その逆もあった。
康太と再会した場所。
最期の時間を過ごすのはここにすると決めていた。
私はこの海が大好きだ。
小さな頃よく康太と遊びに来ていた。
康太はお母さんに起こられると毎回海に行っていた。
私が迎えに行くと不機嫌な泣き顔で体操座りして海を眺めていた。
そんな時は帰ろうと言っても絶対に動いてくれない。
"美春1人で帰れよ"なんて言われてしまう。
だから私はいつも康太の横に座って何も言わず待っていた。
そのうち康太が立ち上がり、こう言うんだ。
"帰ろう、お腹空いた"って。
そして自分の右手を差し出す。
その手を握れば康太はふわっと柔らかい表情で笑ってくれた。
そんなことが何度もあったのを覚えている。
その逆もあった。