君が呼ぶから帰ってきたよ
「知ってたよ、泣きそうなくらいに病気と戦ってたことも、1人で夜泣いてたことも…みんなの前では頑張って笑ってたんだろ?」



「やだなぁ、上手くかくせてなかったんだー、嘘が下手だったね私。」


そう言って笑うと康太は違うと言った。


「幼なじみ…ずっと見てたから分かるんだよ。全部。お前が嘘が下手なわけじゃないよ、俺がお前の嘘を見抜くのが上手いんだよ。」


私はそっかと言って笑った。


康太も私に優しい笑顔で返してくれる。



康太には怒られるかもしれない。


康太は嫌かもしれない。


康太には悲しく、辛い思いをさせるかもしれないけど…


それでもやっぱり私は康太には笑っていて欲しい。


大事で大好きな人だから…


好きな人には幸せになってもらいたいって思うのは自然でしょ?



「ねぇ、康太。明日は学校?」



「あー、まぁ一応。」



「何その言い方、ちゃんと行ってる?」



「普通に行ってるよ」



「サボったらダメだよ、高校はちゃんと行かないと勉強に追いつけなくなるよ!康太は頭いいけどさ…」


「はいはい、分かってるよ。部活もあるからちゃんと行くよ。」
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