君が呼ぶから帰ってきたよ
「うるせえ、わかんねぇじゃん…お前何度呼びかけても…」


そこまで言って康太は言うのをやめた。


この先の言葉は康太が言わなくても私には分かる。


"お前、何度呼びかけても…返してくれなくて死んじゃったじゃん"でしょ?


私の前を早歩きで教室に向かう康太の背中を見て思う。


この人は、どれだけ私の死を悲しんでくれてるんだろうか?


私は、康太に寂しい気持ちしか残せないのだろうか?


私の死は変わることがない。


何年経っても、


どんだけ康太が悲しんでくれても、


どんだけ私が生き返りたいんだと願っても、


無理な話だ。


そんなこと私も、康太も分かってる。


だから、苦しいし悔しい。
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