君が呼ぶから帰ってきたよ
教室に着くと私が記憶にある教室と変わりがなかった。


いつも通りに賑やかな教室。


ただ違うのは…


私の席がないこと。


当たり前なんだけど…


なんだか、私の生きたという証が、私がいたという形が無くなった感じがした。



クラスメイトの笑う姿を見て思う。


私は最初からいなかったんじゃないか?って。


そんなこと思っても仕方ないことなんだよね。


ここにいるクラスメイトには私とは違う。


未来がある。


生きていかなきゃいけない"今後"がある。


私だって、ずっと私のことを思って悲しんでくれとは言いたくない。


むしろ、前を見て未来を歩んで欲しいと思う。


私の事なんて、悲しまなくていいから。


だけど、少しでもいいからみんなの中に私がいて欲しいなんて…


わがままだな、私。
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