君が呼ぶから帰ってきたよ
まさか…?


だってお母さんでさえ、私の事見えてなくて。


何故か康太には見えるけど、誰も私のことは見えないはず。


だって…私は幽霊だから。



でも、明らかに真穂の目は私をうつしているように見える。



私はゆっくり手を挙げて静かに振る。



すると、真穂はびっくりした顔をした。


あ…真穂には見えてるんだ…


その時思い出した。


真穂は霊感があると言っていた事を。


たまに病院で幽霊見えちゃうんだよね〜と入院してる私に言っていた。


あの日、私はそのせいで怖すぎて眠れなかったんだ。


忘れてた…


ホームルームが終わったようで先生が教室から出ていった。


私はゆっくり康太に近づく。


康太はちらっと私を見て"どうした?"という目をする。


「康太、真穂が私の事見えてる。」


「は!?」


康太は私の言葉に大きな声をあげる。


それによりクラスメイトの視線が康太に集まる。


「どした?康太」


康太の友達で同じ部活の男子、大津冬樹(おおつ ふゆき)が話しかける。


「いや、なんでもねえ」


康太は口を抑えて真穂の方を見る。


真穂はまだ私がいることに信じられないようで…


ずっとこっちを見ている。


驚いた顔はさっきのままで。
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