君が呼ぶから帰ってきたよ
「学校おわってすぐどこかに行ってたみたいでね…」
「多分、私のお墓参りだ…康太、毎日来てくれてたみたいで…」
泣いてた康太の声を思い出す。
泣きながら私の名前を呼ぶ声を。
「ほら、同じサッカー部の大津いるでしょ?あいつも声かけたりしたんだけど…やっぱりだめでね、でも誰も責められないでしょ?辛いのはあたりまえだし…私も普通通りなんてできなかったもん。」
「そっか…そうだよね…」
「サッカー部もやめようとしたらしいんだけど…」
「え!あのサッカー大好きな康太が⁈」
驚きだ。
だって、康太のサッカー好きは最強に強いものだったのだ。
サッカーのし過ぎで勉強をしない康太に激怒した康太のお母さんが100点取らないとサッカー禁止と言った時もそれはもう猛勉強して100点取った男が…
康太があの時くらい勉強したの、後にも先にもあれだけじゃないのかと思っている。
私の事があったとは言え、そんなことないと思っていた。
「でも、結局できなかったみたい。」