君が呼ぶから帰ってきたよ
「そりゃそうだよね、だって康太サッカー大好き人間だもん。」


私がそう言うと真穂は首を横に振った。


「違うよ、美春がいたからだよ。」


「え?わたし?」


私とサッカー…


なんの共通点が?


私が首を傾げ、考えていると真穂は優しく笑って


「サッカーしてると美春が笑っている気がするんだって。」


私が笑ってる?


なんで?


ますます謎めいてしまう。


「美春さ、康太のサッカーしてる姿が好きっていったことない?」


「え…あるかもしれない…」


言ったこと自体覚えてはいないけど、思ってはいた。


サッカーしている時の康太は楽しそうでキラキラしていた。


だから、康太のサッカーしている所を見るのが大好きだった。


私が体を動かして運動なんてことができなかったから憧れもあった。


「美春が好きなサッカーをやめたら美春との繋がりが消える気がするって。サッカーしてたら美春がどこかで見て笑ってる気がするんだって言ってたよ。」


康太は、どこまで私の事を想ってくれるんだろう?
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