君が呼ぶから帰ってきたよ
私は、勝手にいなくなったのに。


康太にたくさんのものをもらっておきながら…


勝手に、突然いなくなったんだよ。


そして、康太を悲しませて苦しませて…


なのに…いつだって康太は私の事を大切に思ってくれる。


「康太は私中心すぎだよ…自分の人生なのに…」


「康太からしたら美春は康太の人生の一部なんだよ。」


「一部…?」


「そう、康太の人生で美春はいなくちゃダメな存在で苦しくても悲しくても康太には美春が必要なんだよ。」


「でも…このままだと康太は私の死の悲しみで人生が終わってしまう…」


外を見ると、ドリブルをしている康太の姿が。


康太の人生に私が必要と言ってくれるのは、すごくうれしい。


好きな人にそんなことを言ってもらえるなら生きてきてよかったと心から思う。


だけど…康太の笑顔をなくしまうのは嫌だ。


「悲しみね…」
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