君が呼ぶから帰ってきたよ
康太はいつまでこのまま私のことを考え続けるのだろう。


私はもういないんだ、帰ってこない人。



生まれ変わらない限り、康太のそばで同じ時を過ごせない。


いつまで経っても私は高校生のままで、康太は大人になっていく。



私がこのまま康太の心に住み続けたら、康太は…康太の心は私がいなくなった日のままで時が動くことがない。


本当にそんなことあってはならないのに…



「確かにこのまま美春を想い続けるのは悲しいことなのかもしれないね。でも康太にとってはそうじゃないんだと思うよ。」



「え?でも康太が悲しい顔してるなんて…私には耐えられない!康太には…幸せになって欲しいんだよ…」


「康太…幸せだと思うけどなぁ。大切な幼なじみが今そばにいて…違う?」


「でも、私は今幽霊で…きっといつか消える。その前に何とか康太を未来に歩ませたいの…」
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