君が呼ぶから帰ってきたよ
10.受け入れるべき未来
あと体育祭まで1週間。


今日、康太たち応援団は体育館で練習をしている。


練習をする生徒たちの顔にも以前よりも増して本気が感じられるようになってきた。


それはあの康太も同じで最近は応援団の練習を熱心に取り組んでいる。


最初は凄く不機嫌でどうなるかと思ったけど今では一生懸命に声を出して帰っても動画を見て振り付けを覚えている。


康太はちゃんと自分で前に進めている。


結局、私ができたことなんて無かったな。


康太1人でも大丈夫だったんじゃないかな。


そう今の康太を見ると思う。


｢ほー、大好きな人を堂々と見れるって美春の特権よねー｣


耳元でした声にびっくりして振り返る。


｢真穂！？びっくりした…いきなり声かけるのはやめてよ…｣


心臓止まるかと思ったとつぶやく私に笑う真穂。


｢康太、見違えるくらい真剣に取り組んでるね。｣


真穂は康太の練習を見て安心した顔をする。


｢うん…康太はちゃんと自分で元の康太に戻ろうとしてる。｣
< 88 / 131 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop