君が呼ぶから帰ってきたよ
「そんなこと言われたら私、康太の傍を離れられなくなる。」


"傍にいたい"なんて叶わないことを願いたくなる。


もう無理なことはずっと頭でわかってる。


死ぬ時だってそう分かってた。


なのに…だんだん欲が出てくる。


「じゃあ康太にとりついちゃえ。背後霊でもいいじゃん。康太は美春だったらいいって言うよ。」


そうやって真穂は笑いながら言う。


「ダメだよ、康太は…」


私が言いかけた時パタパタと足跡が聞こえてくる。


その方向を見ると、沙耶ちゃんとその友達だった。


「沙耶、佐々木くんに声かけなよ!」


「いや無理だよ…ほら今練習してるし!」


そんな会話が隣から聞こえてくる。


沙耶ちゃんは顔を赤くして康太を見ている。


康太の事、好きなんだろうな。
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