君が呼ぶから帰ってきたよ

｢美春、私の前くらい頑張らなくていいじゃん。康太に言ったら康太に心配かけるから我慢してるんでしょ？私ならわがまま言っていいんじゃないの？友達でしょ？｣


真穂の言葉に胸がきゅっと締め付けられて涙が奥から溢れてくる。


いいのだろうか？


ずっとずっと言ってはいけないと思っていた言葉たち。


病気になってから言ってはいけないと思っていた。


私はそんなに長くない命だから、言ったらダメだって思ってた。


だって言っても困らせるだけ。


康太がそばに居てくれるだけで、笑ってくれるだけでそれだけで十分すぎるくらい幸せだったから。


そうやって言い聞かせてきた。


でももう限界だ。


｢真穂、私康太が好き。なんで私がそばにいられないんだろ…私が1番好きなのに…｣


私は言いながらポロポロ涙をこぼす。


真穂の顔が涙で歪んで見えない。