君のカンパネラ

朝礼の時間が近づいてきて教室に行くと、図書館で話しかけてきたあの派手な男がいた。

え、同じクラス?

うそ、、、。


その男はクラスでいろんな男女に囲まれていた。

「おいー、何昨日サボってんだよー、海斗ー」

「えー、だって、始業式ってダルいじゃんー。

つまんない話永遠と聞いてられねえってー」

「ったくー、相変わらずだなー」


なんて会話が聞こえてきた。

彼の低くて透き通った笑い声が教室に響いていた。



うわ、、、こういうタイプ無理。

根が明るくて、闇とかなさそうだなあ。
いつも自分をさらけ出している感じ。

まあクラスで私に話しかけるわけはないと思うけど、あの漫画のことを人にバラされたら厄介だな。

「お、おはよ」と夏菜に小声で話しかけた。

「おはよー!」と元気な夏菜。

「ちょっと聞いてよ、、、。

今朝」と話し出そうとした瞬間。


「あー!

図書館のガリガリ女だ!」

あの男の声が背後からした。

図書館のガリガリ女って、、、。もしかして、、、。

振り返ると、その男が私を指差していた。


確かに、不健康なほど私はガリガリ。
160センチなのに体重が40キロを切っている。

頬はこけていて骨と皮しかない感じ。
スリムとか華奢とかいうレベルを超えてガリガリ。

ゴーヤとポテトしか食べない偏食でこうなった。

ガリガリなのは「かわいそう」っていろんな人から言われる所以の一つでもある。


私はその男の声を無視していた。

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